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イヴァン雷帝とクールプスキー公の往復書簡


栗生沢猛夫訳・解説


ISBN978-4-86520-078-2 C0022
A5判上製 本文縦組208頁
定価(本体2400円+税)
2025.12

1564年、イヴァン雷帝の信頼する友で、貴族また指導的軍人でもあったクールプスキー公は、当時ロシアと交戦中であった敵国リトアニアへと亡命した。公は出奔後まもなく、雷帝の圧政を非難し、亡命を正当化する書簡を書き送った。かつての「友」の亡命と書簡は雷帝に激しい衝撃を与え、雷帝はただちに反論の執筆に着手した。このようにして始まった両者間の往復書簡は、ロシアにおいて急速に強化されつつあった皇帝権力と伝統的な体制を維持しようとする貴族層との関係を知るうえで、また雷帝とその治世を全体として理解するうえで、最も重要な史料の一つとなった。それはまた、権力と個人・社会との間の緊張関係が依然として重要な問題であり続ける今日においても、その意味を失っていない。


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