はじめに
第一章 賢者アキール説話のスラヴ語版
賢者アキール説話のスラヴ語版とは
スラヴ語版賢者アキール説話のあらすじ
スラヴ語版におけるスラヴ語とは
第二章 賢者アキール説話スラヴ語版の起源と展開
賢者アキール説話スラヴ語版の起源
スラヴ語版の展開
賢者アキール説話のスラヴ語写本の分類──第一世代から第三世代まで──
第三章 賢者アキール説話スラヴ語写本の比較研究
スラヴ語写本の比較研究とは
(1)本文の分量
(2)物語の構成要素
(3)《文集》の構成要素としての意義
比較の基準となるスラヴ語写本の選定──〈オイドル本〉と〈サヴィナ本〉──
スラヴ語版研究のターニングポイント──〈サヴィナ本〉の発見──
第四章 スラヴ語版における異読
写本間の異読とは
スラヴ語版での異読の実例
完璧な写本は無い
異読の分析から得られるもの
第五章 物語の構成要素から見た賢者アキール説話スラヴ写本
物語の構成要素から見た賢者アキール説話スラヴ写本
物語の構成要素の量・配列の違いとは
新たな構成要素の取り入れ
物語構成要素の踏襲と改変の観点から見た〈ベリャコフ本〉
〈サヴィナ本〉、〈ベリャコフ本〉、〈ソロヴェツキー本〉三写本に共通する特徴
第六章 スラヴ語版賢者アキール説話写本群の系譜
スラヴ語版写本群の系譜解明の手掛かり
スラヴ語版写本の系統関係を考えてみる
賢者アキール説話のギリシア語版がなぜ現伝しないのか
賢者アキール説話スラヴ写本研究の現在地
第七章 『シャハイシャ王の十二の夢』
《文集》を構成する作品の例
『シャハイシャ王の十二の夢』とは
スラヴ語版『シャハイシャ王の十二の夢』の著名な諸写本
『シャハイシャ王の十二の夢』の周縁的な写本
『シャハイシャ王の十二の夢』スラヴ語版写本の比較から分かること
ロシア語版写本の持つ古風さ
シャハイシャ王の見た十二の夢とは
第八章 キエフ・ルーシの文献文化──ボリスとグレープをめぐる作品を中心に──
キエフ・ルーシにおける文献文化の誕生
揺籃期中世ロシア文献文化の一側面──ボリスとグレープをめぐる作品から
キエフ・ルーシにおける福音書の誕生
アプラコスとは
『物語』における福音書の引用
『講話』における福音書の引用
中世スラヴ世界におけるキエフ・ルーシの文献文化
第九章 ボリスとグレープを殺したのは本当にスヴャトポルクか
キエフ公ヴラジーミルの誕生まで
年代記から読むスヴャトポルクによるボリスとグレープ暗殺
キエフ公位をめぐる兄弟の戦い──スヴャトポルク、ヤロスラフの死闘
ボリスとグレープの死は誰の手によるものか
おわりに
付 録
1.現代のスラヴの諸言語
2.スラヴ諸語を分けるポイント
3.『賢者アキールの物語』のあらすじ
4.養子の教育を述べるエピソードⅡでの金言
5.スラヴ語版写本に関する補足
6.異読の実際例
参考文献
服部文昭(はっとり・ふみあき)
1954年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
博士(文学)。
京都大学名誉教授。
専門はスラヴ諸語に関する機能論的ならびに文献学的研究。
著書等
『古代スラヴ語の世界史』(白水社)、
「ロシア語 ―― 英語だけではダメですか?」大木充・西山教行(編)『マルチ言語宣言:なぜ英語以外の外国語を学ぶのか』(京都大学学術出版会)など。