はじめに
第一章 日露戦争期の報道に見る「軍神」の誕生
1 「軍神」報道はいつ始まったのか
2 「軍神」の意味と用例
3 第一次旅順口閉塞作戦における廣瀬武夫の評価
4 生前の廣瀬武夫に対する「軍神」評の出現
5 戦死報道や弔詞に見る廣瀬武夫の評価
第二章 軍歌・唱歌・琵琶歌に見る廣瀬中佐像
1 はじめに
2 歌曲に歌われた廣瀬中佐の逸話と人物像
3 廣瀬中佐を歌った歌曲の展開
補 遺 廣瀬中佐を主題とする軍歌・唱歌・琵琶歌
1 廣瀬中佐を主題とする歌曲一覧
2 「軍歌」の定義と「唱歌」との関係
3 七五調の利点と制約
第三章 修身・国語・唱歌教科書における廣瀬武夫教材
1 『尋常小学修身書』に見る廣瀬武夫像
2 文部省唱歌「廣瀬中佐」の成立
3 廣瀬武夫の逸話を伝える教材の変遷
4 結び
第四章 廣瀬武夫の漢詩「正気歌」とその受容
1 はじめに
2 廣瀬武夫と漢詩
3 「廣瀬中佐の詩」に対する夏目漱石の批判
4 漱石以後の日本における「正気歌」の受容
5 おわりに
廣瀬武夫の漢詩を収録した漢詩集一覧
第五章 廣瀬武夫によるプーシキン詩の漢訳
1 はじめに
2 廣瀬武夫のロシア語学習と漢訳詩「夜思」
3 恋愛詩としての「夜思」
4 「寄詩人」と「獄囚」に見るプーシキン詩への共感
5 海軍軍人としての信条
6 おわりに
第六章 書簡に見る廣瀬武夫の人物像
1 『高等小学読本』に掲載された廣瀬武夫の手紙
2 島田謹二『ロシヤにおける広瀬武夫』の人物造型
3 結び
第七章 現代の顕彰活動における廣瀬武夫像の追究
1 廣瀬神社の創建と終戦後の状況
2 小説・演劇・映画・テレビドラマに見る廣瀬武夫像
3 顕彰活動の再出発
4 「郷土の誇り」としての廣瀬武夫
5 今後の課題
初出一覧
あとがき
廣瀬武夫書簡翻刻
参考文献
図版出典一覧
年表
索引
笹本玲央奈(ささもと・れおな)
1979年生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。専門は日本近代文学。海軍中佐・廣瀬武夫に関する学位論文を名城大学大学院に提出、博士(都市情報学)。
現在、フェリス女学院中学校・高等学校講師。2016年より、大分県竹田市および東京における「廣瀬武夫を学ぶ会」講師。編著に『廣瀬武夫からの絵はがき』(廣瀬武夫生誕150年祭事業実行委員会、2018年)がある。